これまでの経緯
K研究員の「ゲームをつくりたい」という想いに応えるにはどうしたらいいか考えました。
- 楽しみながら作れる
- 「RPGツクール」のような便利な「ゲーム制作アプリ」を使うのではなく、技術要素をしっかり学べる作り方
- Unityのようなゲーム制作エンジンは高度なゲーム制作が可能だが、初心者には根本的なコンピューティングの仕組みが学びにくい
アドベンチャーゲームであれば、HTMLだけで作れる。研究員たちにそれを話してみたところ、ぜひやってみたいというので始めることにしました。
アドベンチャーゲームとは
テキストまたはグラフィックス(あるいはその両方)によって現在プレイヤーの置かれている状況が提示され、それに対しプレイヤーが行動を入力すると行動の結果が提示されるので、さらにその状況に対する行動を入力……という操作を繰り返して進めていく、コンピュータとプレイヤーとの対話形式で構成される[1]。プレイングに反射神経を必要とせず、提示される様々な情報から的確な行動を推理・選択することが求められる、思考型のゲームである[2]。
同じ思考型のシミュレーションゲームやロールプレイングゲームなどとは「複数の項目からなる主人公の能力等を表す数値(経験値や攻撃力など)」が存在しない点で区別される。
アドベンチャーゲームは、コンピュータゲームの黎明期から現代まで長く楽しまれているゲームジャンルです。
過去の名作アドベンチャーゲーム
コロッサル・ケーブ・アドベンチャー(1976年、ウィル・クラウザー)


『コロッサル・ケーブ・アドベンチャー』(英: Colossal Cave Adventure)は、アドベンチャーゲームというジャンル名の由来となっているコンピュータゲームである。他に、ADVENT、コロッサルケーブ、アドベンチャーという名でも知られている。プログラマでケイビング愛好家のウィル・クラウザー(英語版)が設計したゲームであり、ケンタッキー州マンモス・ケーブ国立公園の洞窟群の一部であるコロッサルケーブを舞台のベースとしている。コロッサルケーブにはいくつも入口があり、その1つがベッドキルト (Bedquilt) と呼ばれている。クラウザーは非常に忠実に現実の洞窟を再現しており、このゲームをプレイした洞窟探検家は、初めてベッドキルトからコロッサルケーブに入ったとしても、容易に洞窟を辿っていけるという。
ウィル・クラウザーは、ARPANET(インターネットの前身)の開発にも関わった Bolt, Beranek & Newman のプログラマだった。クラウザーはケイビングを得意とし、ケンタッキー州マンモス・ケーブ国立公園でケイビングを行った経験を生かし、娘のためにこのゲームを作った。
クラウザーは1970年代初めにマンモス・ケーブ国立公園の洞窟群を探検し洞窟の地図を作成しているが、ゲームはテキストベースであり、1975年から76年ごろに作った。現実の洞窟とは異なり、ゲームでは斧を投げつけてくるドワーフや魔法の橋などファンタジー要素が盛り込まれている。
最もよく知られているバージョンは、スタンフォード大学のコンピュータでこのゲームを見つけた大学院生ドン・ウッズ(英語版)がクラウザーの許可を得て改良・拡張したバージョンである。ウッズはトールキンの大ファンで、エルフやトロールといったファンタジー要素をさらに追加した。
ロバータ・ウィリアムズ(英語版)とその夫ケン(英語版)がそのゲームを見つけた当時、似たようなゲームは他になく、彼らはアドベンチャーゲームを開発販売する会社オンラインシステムズ(後にシエラ・オンラインに改称し、さらにシエラエンターテインメントとなった)を創業。まずグラフィックスを加えたアドベンチャーゲーム「ミステリーハウス」を開発し、その後20年に渡ってゲームソフトウェア市場で活躍することになった。
ミステリーハウス(1980年、シエラ・オンライン)

1970年代にも多数制作されていたアドベンチャーゲームと呼ばれるジャンルのソフトは、その全てが「文章のみで作中の状況を描写する」という表現方法をとっていた。今となってはアドベンチャーゲームで当たり前の手法である「文章と画像を用いての表現」を最初におこなったのが、1980年に登場したミステリーハウスである。シエラ・オンラインのミステリーハウス(便宜的に以下、シエラ版MHと呼ぶ)の登場によって、それまでアドベンチャーゲームと呼ばれていたものはテキストアドベンチャーとグラフィックアドベンチャーの二種に大別されるようになる。
ポートピア連続殺人事件(1983年、エニックス)

『ポートピア連続殺人事件』(ポートピアれんぞくさつじんじけん)は、堀井雄二がデザインしたアドベンチャーゲーム。
1983年6月にエニックス(現在のスクウェア・エニックス)よりPC-6001版から発売され、当時の多くのパソコンに移植された。1985年11月29日にファミリーコンピュータ(以下、ファミコン/FC)移植版が発売され、FC初のアドベンチャーゲームとなった。
2001年にはフィーチャーフォン用の携帯電話ゲーム(携帯アプリ)としてリメイク版も配信された。
概要発売当時の現代日本を舞台としたアドベンチャーゲーム。プレイヤーは神戸市で起こった殺人事件を担当する刑事となり、相棒のヤスと共に事件の背景を探り真犯人に迫っていく。社会派推理小説を意識したストーリーとなっており、その結末にはどんでん返しの展開が設けられ、真犯人の正体の意外性が話題になった。
発売当時のゲームはSFやファンタジーといった現実から離れた物語のジャンルが主流で、初めてではないものの、本作のような現代日本を舞台とするゲームは少数派であった。また、当時のアドベンチャーゲームというジャンルも、宝探しか迷宮脱出のいずれかに分類できるゲーム性がほとんどである。本作のように実在する土地を舞台に、人間ドラマを盛り込んだ小説仕立てのストーリーが展開されるという趣向は、革新的なものであった。
その一方で、ゲームシステムの制約から、アリバイ崩しのような複雑な展開を盛り込むことは断念され、事件の因果関係を明らかにしていくというストーリーが設定された。最後に意外性のある結末でプレイヤーを驚かせるという手法を用いたのも、少ない容量で娯楽性を追求するという制約の中で生まれた工夫による。
発表当時のゲーム業界は個人による開発が主流で、分業がほとんどされておらず、本作もオリジナル版のPC-6001版では、プログラム・シナリオ・グラフィック等の全ての作業を堀井が1人でこなしている。後に堀井雄二がシナリオを担当したアドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』(1984年、アスキー)、『軽井沢誘拐案内』(1985年、エニックス)と本作を合わせて「堀井ミステリー三部作」とも呼ばれる。
サラダの国のトマト姫(1984年、ハドソン)

当時のパソコンゲーム市場でブームとなりつつあったアドベンチャーゲームの初期ヒット作。擬人化された野菜たちによって繰り広げられるストーリーを描いたメルヘン風のアドベンチャーゲームである。
同年にPC-8801を始めとした様々な日本国内パソコンに移植された他、1988年にはファミリーコンピュータに移植された。2001年には携帯電話アプリゲームとしてiアプリにて配信された他、2004年にはEZアプリ、2005年にはVアプリとして配信された。本作は8ビットパソコン版、ファミリーコンピュータ版、携帯電話アプリ版とで内容が大きく異なり、3つのバージョンが存在している。
スナッチャー(1988年、コナミ)

架空の近未来を舞台に展開される「サイバーパンク・アドベンチャー」である。後に『メタルギアソリッド』シリーズで有名となる、当時コナミに籍を置いていたゲームデザイナー・小島秀夫がシナリオと企画を担当した。PC版は松井直樹(MSX版『グラディウス2』の企画者)が率いたゲーム開発チーム「TEAM METALSLAVE」が制作した[1]。
映画『ブレードランナー』をモチーフとした(小島本人の口から明言されている[2])サイバーパンク世界が舞台となっている。小島作品としては、映画的演出を導入した最初のゲームであり、そのゲーム設計や表現は後に発売された『ポリスノーツ』の原型ともなった。
琥珀色の遺言(1988年、リバーヒルソフト)

『藤堂龍之介探偵日記』(とうどうりゅうのすけたんていにっき)は、1988年からリバーヒルソフトよりPC用ゲームソフトとして発売されたアドベンチャーゲームシリーズである。リバーヒルソフトの経営破綻以降はアルティが開発を引き継ぎ、2003年より過去作の移植版および新作をフィーチャーフォンなどに向けて発売している。
本作は、大正時代を舞台に、架空の私立探偵・藤堂龍之介を主人公として展開する推理ゲームである。コマンド総当たり式のアドベンチャーゲームであると同時にマップ移動の概念があり、プレーヤーは邸宅や客船などの閉鎖された舞台の中を藤堂龍之介の視点で移動し、関係者と対話したり証拠品を捜索したりしながら、犯人や事件の真相を解き明かしていく。舞台設定やキャラクターの会話に、大正時代の風俗や世相が強く意識されていることが特徴となっている。
MYST(1993年、Cyan Worlds・ブローダーバンド)

『MYST』(ミスト)は、1993年9月24日にアメリカ合衆国のブローダーバンドから発売されたClassic Mac OSおよびWindows 3.x用3Dアドベンチャーゲーム。
同社による『MYSTシリーズ』第1作目。ミスト島を舞台にプレイヤーは本の中の世界「MYST島」に迷い込んだ旅人として、ミスト島とそこに隠されたさらに4冊の本の中の世界を冒険し、この世界の謎を探索する。CGプリレンダリングで製作された静止画や動画による美麗な画面、独特の世界観と難解な謎解きが特徴。
開発はアメリカ合衆国の Cyan(サイアン)が行い、同社の創業者であるランド・ミラー(英語版)およびロビン・ミラー(英語版)の兄弟を中心とする7人のスタッフによって製作された。セガサターンやPlayStationなどの家庭用ゲーム機や、PlayStation PortableやニンテンドーDSなどの携帯型ゲーム機など様々なプラットフォームに移植されている。
『ドラゴンクエストシリーズ』の制作者の堀井雄二、山名学の両名が本作に熱中した影響により、PlayStation用ソフト『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』(2000年)の冒頭は戦闘が無く、謎解きがメインの構成となった。
かまいたちの夜(1994年、チュンソフト)

チュンソフトより発売されたスーパーファミコン用ゲームソフト。『弟切草』に続く同社のサウンドノベルシリーズ第2弾。
1994年11月25日に発売され、その後数多くの機種に移植された。グラフィック上に直接文章が表示され、任意の選択肢を選ぶことでさまざまな物語が展開するサウンドノベル作品。真冬の雪山のペンションにて起こる不可思議な殺人事件の謎を解くことが目的。マルチエンディングであり、事件の真相とは全く無関係の結末を迎えることも特徴の一つ。
STEINS;GATE(2009年、ニトロプラス・5pb./MAGES.)

5pb.(現・MAGES.)より発売された日本のアドベンチャーゲーム。略称は「シュタゲ」。ファーストバージョン(原典)はXbox 360にて2009年10月15日に発売された。
ゲームの発売後は、口コミを通じてそのストーリーが評価され、人気が広まったとされる。
ファミ通の記念号である第1234号での記念企画「読者が選ぶオールジャンルゲームベスト」(これまで出たすべてのゲームのランキング)において「アドベンチャー編」で名作をおさえて「1位」を獲得し、口コミの人気を改めて証明するかたちとなった。
4Gamer.netの読者レビューでは掲載期間である発売日から1年間、ユーザースコア100点満点中99点の高得点を獲得し総合1位を維持した。2011年5月現在、本作と同等のユーザースコアを出したソフトは出ていない。
アニメは平成23年度文化庁メディア芸術祭にてアニメーション部門/長編(劇場公開・テレビアニメ・OVA)審査委員会推薦作品27作のうちの一つに選ばれている。
三省堂国語辞典の第八版では、SF用語としての「世界線」の説明に「コンピューターゲームの『シュタインズ・ゲート』から、2010年代に広まったことば」と補足している。
HTMLでアドベンチャーゲームを作ろう
2025年3月5日にはじまったこの企画は、若き研究員たちがテキストエディタのみを使用して、HTMLやCSSを自分で1から書いて制作しています。
知識ゼロから始め、たったの1〜2週間でHTMLやCSSの仕組みを理解し、ゲームを完成させてしまう吸収力・情熱・発想力は称賛に値すると思います。
2025年3月5日(水)
- 各研究員にPCを貸与
- テキストエディタ、Webブラウザ、ファイルエクスプローラーの使い方を学ぶ
- HTMLの基礎を学ぶ
2025年3月8日(土)
- CSSの基礎を学ぶ
- T研究員、記念すべき自作ゲーム第1作「DEATH HOUSE」完成
H研究員(5年生)の作品
DEATH HOUSE(デスハウス)
K研究員(5年生)の作品
T研究員(5年生)の作品
今後の発展
今日わたしたちのインターネットライフにおいて、Webは最重要といっても過言ではないほど欠かせないものです。
HTML/CSSが使えると、Webサイトの制作ができるだけでなく、Webアプリケーション開発への入口ともなります。
《今後進めていくこと》
- より動的なコンテンツの制作を目指してJavaScriptを学ぶ
- サーバサイドのプログラミング(PHP, Python等)と組み合わせる
- データベースを活用する
今回の3名の研究員は全員、光の森学園の5年生たちです!
今後の進化が大いに期待できます。
それでは!
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